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【未経験者向け】Webデザイナーの仕事内容と将来性

パソコン1台で出来る仕事で、自分のスキル次第で年齢に関係なく働けることや、スキルを磨けば独立して、より自分らしい働き方を追求できるというメリットが注目を集め、Webデザイナーへの転職する希望者が増えています。

私自身、Webデザイナーとして10年以上仕事していて、他の職種を選んでいたら独立や今の自由なライフスタイルは実現できなかったと思います。

何となくWebデザイナーという職種に魅力は感じていても、実際のWebデザイナーの仕事はイメージしにくいところがあると思います。

現場で見てきた経験を元に、Webデザイナーの仕事内容や流れ、企業の種類による求められるWebデザイナーのタイプ、将来設計など詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

Webデザイナーの仕事内容・仕事の流れ

どんな仕事するの?

Webサイトを制作する工程は、簡単に分けると営業・ディレクション・デザイン・コーディング・プログラミング・運用に分割されます。

Webデザイナーの仕事内容は、まずIllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトを使用して、お客様の要望に合わせてWebサイトのデザインを制作する仕事です。

職場の環境やスキルに応じて、Webデザイナーでもディレクションやコーディングを担当する場合があります。

Webデザインの技術力・表現力を磨くことも重要ですが、Web制作に必要なスキルは全て身に付けることで、仕事の幅が増えたり、他の工程を知ることで、よりお客様のビジネスに最適なWebデザイン制作能力が身に付きます。

Web制作の工程の中でも、HTMLコーディングやディレクションは、成果物が一般の人には分かりにくい工程ですが、Webデザインは「見た目」が判断しやすく、お客様の要望に近いものか判断されやすい工程です。

そのため、お客様の期待に応えたWebデザインを見せると感動してもらえたり、感謝してもらいやすいため、非常にやりがいを感じられる職種です

 

仕事の流れ

Webデザイナーの仕事の流れは、会社や本人のスキルによって違いますが、当社の例でご紹介します。

当社の場合、Webデザイナーは案件の引き合いが来た時点からプロジェクトに入ります。
受注前から一緒にクライアントへの提案を行います。

流れとしては、

  1. オリエンテーション(クライアントからの要望をヒアリング)
  2. 企画会議
  3. 提案デザイン制作
  4. 提案→受注
  5. ディレクターがサイト設計後、デザイン制作
  6. HTML・CSSコーディング
  7. プログラマーに引継ぎ
  8. テスト、検収
  9. 納品

大雑把な流れですが、このような流れで一つの案件を行っていきます。

この様に、一つの案件を幅広く絡んでいくスタイルになるので、Webデザイナーでもデザインスキルだけでなく、マーケティングやUX/UI、プログラミングに関しても一定の知識が求められます。

 

具体的な仕事内容

それではWebデザイナーの各仕事を、もう少し詳しく紹介します。

Webデザイン

クライアントのヒアリングした内容を元に、色合いやパーツの配置、デザインを「Illustrator」や「Photoshop」などのグラフィックソフトを使用して制作します。

まずはトップページのデザイン案を制作していきますが、制作していると別案が試したくなることも多いので、いくつかバリエーションを作ります。
良いデザインが複数できた場合は、全て提案しますが、基本的にはデザイナーとして一番推薦できるデザインを提出します。
(複数案提出すると、併せた案を依頼されたり別方向に進みやすいので、あまりお勧めできません。)

キャッチコピーや原稿・写真素材などは、デザインと並行して手配していく場合は多いですが、できるだけWebデザインに入る前に揃えた方が、リテイクも少なくなります。

 

UX/UI

規模の大きな会社では、UXデザイナー、UIデザイナーがそれぞれ分業している場合がありますが、大半の会社では、Webデザイナーの仕事の範囲に含まれます。

UXとは、「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、製品やサービスを使う際に得られる体験の事です。
WebデザインのUXも同様に、Webサイトを見て触れて利用した際に、満足してもらえるデザイン設計を行います。

UIとは、「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略で、製品やサービスのユーザーとの接点の事です。
ストレスなくスムーズで使いやすいデザインを作成する仕事です。

 

HTML・CSSコーディング

グラフィックソフトで作られたWebデザインを、画像やパーツに分け、HTMLで構造化データに組み替え、CSSで装飾やレイアウトを組んでいく仕事です。

HTML・CSSの知識が求められ、PCやスマホ、ブラウザの種類やサイズが変わっても正しく見えるようにコーディングする仕事です。

コーディング前のデザインによって難易度が大きく変わるので、Webデザイナーには効率よくコーディングができるように考えられたデザインを作ることが求められます。

見た目を重視しすぎて、非効率なデザインを進めてしまうと、リテイクも多くトラブルになりやすいので、特にクライアントからの要望が無い場合は、コーディングしやすい整理されたWebデザインを作成しましょう。

 

Webデザイナーの将来性と、長く求められるWebデザイナーの特長

これから転職や、手に職を付けるためWebデザインを学ぶ人にとって、Webデザイナーの将来性はとても気になるところです。

AIの発達や市場環境の変化によって、せっかく学んで身に付けたスキルが将来使えなくなってしまうのはとても怖いです。

ネット広告市場の拡大、検索エンジンやSNSなどプラットフォームサービスの変化、5Gなどの通信環境、スマホやタブレットの媒体の変化などなど、Web業界は、他の業界よりも確実に変化のスピードが速く、新しいサービスの登場やトレンドの変化が常に起こっています。

Webサイトの制作ツールについても、WixやJimdoなど、簡単にWebサイトが制作できるサービスが出ています。

環境の変化は、Web業界に限らず、すべての人にあてはまる不安です。
Webデザイナーだけの不安ではありません。

Web業界が変化しているということは、クライアントや世の中も変化しているということです。
例えば、

  1. スマホが登場
  2. スマホユーザーが一気に拡大
  3. クライアントもスマホ化への対応が求められる
  4. Web業界もスマホ対応技術が発達(レスポンシブデザイン)

はじめはPC向けのデザインとコーディング技術が無かった人も、市場の変化に合わせて、レスポンシブデザインを身に付けることで、案件を獲得することができます。

変化に対応し、その時代・その場面で求められるWebデザイナーであり続けられれば大丈夫です。
逆に、対応力さえあれば、変化の激しいWeb業界の方が仕事はなくならないと感じています。

Webデザインを勉強して間もないころは、新しいサービスや技術がでると常に追い求めて理解しないといけないと感じますが、それではいくら時間があっても足りません。

クライアントやユーザーに求められることは何か?何が喜ばれるのか?をまず自問自答して勉強の取捨選択をすることが重要です。

 

Webデザイナーになるためには、独学よりもスクールの方が挫折しない

Webデザイナーになるためには、Webサイトの仕組みの理解や、IllustratorやPhotoshopが使え、HTML/CSSでコーディングが出来るスキルが必要となります。

これらの能力を身に付けるためには、独学で学ぶ場合、本や動画なども充実しているので、自分のやる気次第で身に付けることができます。
ただし、独学の場合、自分のモチベーションにすべて左右されてしまうので、現状に満足している部分があれば確実に途中で挫折します。

私の場合、底辺から脱出したい気持ちと、Webの楽しさに取り付かれていたので独立できるスキルが身に付きました。

そうすると、知り合いからWebデザインを教えてほしいという相談を受けるようになりました。
しかし、独学の場合、「仕事が忙しくなった」「家庭のトラブル」「他に興味が移った」などなど、様々な理由で止めてしまい、Webデザインのスキルが身に付けられる人はほとんどいませんでした。

これからWebデザインになりたい人には、できればオフラインのスクールをお勧めします。
通える距離にスクールが無い人には、オンラインスクールをお勧めします。

金銭的な負担はありますが、独学で時間を浪費するよりも、長期的に見れば圧倒的にスクールの方がメリットが大きいです。

あなたのゴールはWebデザインスキルを身に付けることではなく、その後のキャリアや独立やライフスタイルの実現のはずです。

そのためには、知識やスキルだけでなく、実践力を身に付けなくてはなりません。
この実践力を身に付けるためには、多くの時間と経験が必要になります。

あなたのゴールを達成するためには、長い時間を必要とします。
それなのに、独学で挫折してしまえば、それまでの時間は無駄になってしまいます。
あなたが今何歳か分かりませんが、半年や1年を無駄できる余裕はないはずです。

一方、スクールの場合、体系的に学べ、数か月集中学習することでWebデザインのスキルを身に付け、スクールによっては転職サポートまでしてくれます。

何より、費用を出している事と、カリキュラムを決められることで時間も制約されることで、途中で挫折しにくい環境を作ることがメリットです。

 

必須の資格も、性別の壁もない

Webデザインをするために必要なモノはPCとデザインソフトとコーディングするエディタぐらいです。
国家資格が無いとできない仕事でもありません。

性別の壁も特にありません。
デザインという仕事柄、女性デザイナーは多い業界です。
逆にコーディングやプログラミングを行う職種は男性比率が高くなっています。

(出典)レバテッククリエイター https://codezine.jp/article/detail/12122

Web業界自体が20年程度の若い業界なので、他の業界に比べても男女差を感じない業界と言えます。

年齢についても制限はありませんが、常に進化する技術を追いかけるモチベーションとバイタリティが必要な業界です。
数年さぼってしまえば、どこにも通用しないスキルになってしまいます。

独立やフリーランスでは年齢制限はありませんが、転職の場合は年齢不問といえど、30歳程度までを希望してる会社は多いです。
それは、やはり年齢が高くなると変化への対応力が弱ってくる人が多い印象があるためです。

Web業界で求人募集している会社は、常に自分で勉強し、変化への対応力を持っている人材を求めています

たとえ若くても、受け身な姿勢や勉強嫌い、変化を好まない人は採用されません。
30歳を超えていても、常に勉強し続ける興味を持っていることがアピールできれば、採用してくれる企業は多いです。

 

未経験でもWebデザイナーに転職できるの?

結論から言えば、未経験でもWebデザイナーに転職できます。

ただし、それは「誰でもOK」という意味ではなく、Webデザイン・Web制作のスキル・知識は勉強しているけど実務経験がない人であれば転職可能ということです。

Webデザイナーの求人情報を見ていると、中に「未経験者可」という募集案件も見つかります。

求職者側から見れば「誰でもOK」と、都合よく解釈できそうですが、募集側から見れば、
これは、誰でも良いという意味ではなく、「Webデザインの知識はあるけど、実務経験が無くても可」という意味です

中には本当に「誰でもOK」という意味で使っている求人も有りますが、それはそれでWebデザインの仕事ではない可能性もあるので注意が必要です。

Webデザイナーを募集している企業の多くは中小企業です。
Illustratorも使えない未経験者を、数か月給与を払って教育してくれる余裕のある会社はありません。

募集している企業から見て、どの様な人材が必要とされているのか、未経験の場合は想定することも難しいかも知れません。

スクールの転職サポートや、Web制作の現場に努めている人に聞いて、必要な人物像・必要なスキルを身に付けて転職活動に挑みましょう。

 

【企業のタイプ別】企業が求めるWebデザイナー

Webデザイナーを求める企業にはいくつか業種やタイプがあります。
そのタイプに応じて、求めらるスキルや身に付くスキルが変わってきます。

転職して「こんなはずじゃなかった」と思わないためにも、あなたの将来像に合わせて、転職候補先を選びましょう。

将来、Webマーケターで独立を目指すならインハウス→広告代理店→独立。
Web制作で独立なら、Web制作会社→広告代理店→独立がおススメです。

Web制作会社で働くWebデザイナーの特長

これが一番イメージしやすいかも知れません。
クライアントの依頼を受けて、Webサイトを制作している会社で働くWebデザイナーになります。

クライアント次第で業種や対象が変わるので、Web制作会社に勤めると色々なWebデザインができます。
また、完全分業のWeb制作会社は少なく、Web制作の幅広い知識を求められるので、仕事の幅も広がり、スキルの幅も広がります。

将来、独立やフリーランスを目指している人は、WebデザイナーからWebディレクターになることを目指しましょう。
ディレクターは、Web制作の全工程に責任を持つ立場の為、Web制作に必要な知識はほぼ全て勉強できます

また、Webデザイナーは、クライアントや営業に接することも多く、独立後の人脈にもつながり、安定した案件の獲得につながります。

 

インハウスで働くWebデザイナーの特長

「インハウス」とは、「組織内」という意味で使われます。
この場合、社内のWebメディアやWebサービスの制作を行うWebデザイナーです。

Web制作会社とは違い、Webサイトの更新が中心になるため、制作実績が偏りやすい傾向があります。

大人数の部署で働く場合は良いですが、地方や小規模の場合、少人数または1人でWebサイトを運用することも多く、Webデザインだけでなく、ネット広告の運用や、成果測定、集客施策の企画など、他の業務が大半を占める場合もあります。

また、インハウスのWebデザイナーには、より数字の成果が求められます。
見た目だけなく、そのデザインによって「売上が上がるのか?」「お客様に商品が買ってもらえるのか?」「集客できるのか?」といった数字としての成果が求められます。

Web制作のスキルよりも、集客・販促やマーケティングといったWebマーケターとしてのスキルが求められ、磨かれていきます。
将来、Webマーケターを目指す方には最適な環境と言えます

注意点としては、小規模の場合、責任も大きくなってしまうので、経験が少ない場合は、チーム・部署の人数が多いインハウスを探しましょう。

 

広告代理店・印刷会社で働くWebデザイナーの特長

近年、広告代理店や印刷会社、紙専門のデザイン会社でも、Web制作を請け負うため、Web制作の部署を設けている会社が多くなってきました。

業務内容としては、Web制作会社を同じく、様々な業務のWebデザインに携わることが出来ます。

特長として、Web制作専門の会社では無いので、チラシやパンフレット、TVCMなど広告全般に対応するため、多くの人と連携してプロジェクトを進める場合が多いです。

例えば、クライアントのセール企画を実施する為、企画段階から営業・ディレクター・制作のチームにアサインされ、TVCM・新聞折込・雑誌広告・ネット広告を企画し、共通のビジュアルで展開するため、各署のデザイナーとやり取り、クライアントのOKが出れば自分の担当でデザイン展開、ネット広告運用。のような流れです。

1社だけでなく、複数の会社で受け持って展開されるため、やり取りの手間や、デザインのリテイクも多く、デザイナンスキルではなく、社会人としてのビジネススキルが求められます。

また、古い業界体質の会社も多く、納期最優先にするブラック企業も多いので注意が必要です。
あまり長く務めることはお勧めしません。

広告代理店・印刷会社で働く一番のメリットは、広い人脈を作れることです

仕事内容は、関連の協力会社とやり取りすることが多いので、クライアント担当者以外にも、協力会社の担当者と人脈ができます。

また、業界構造的に、ブラック企業が多いため、人の入れ替わりが非常に多いのが、この業種の特長です。
協力会社の担当者もコロコロ代わりますが、同じような業界に転職する為、人脈は残ります。

広告代理店と印刷会社を数年で何社か努めれば、数百枚の名刺と、独立した時に案件を紹介してくれる強い人脈が出来ています。

仕事はしんどい面がありますが、独立後に一番苦労するのが人脈を増やすことなので、独立前に人脈を作っておくことは非常に大切です。

 

まとめ

Webデザイナーの仕事内容は、デザインソフトが使えてHTML・CSSでコーディング出来れば仕事することが可能な職業です。

そして、ネット広告やSEOなどのWebマーケティングや、PHPやDBを使いこなすWebプログラマー、営業よりで制作の責任を負うWebディレクターなど、さらに幅広い知識を要する職業へのステップアップも可能です。

変化の速い業界ですが、それだけ刺激も多く楽しい業界です。
興味を持ってもらえたら、ぜひWebデザイナーを目指してみてください。

 

 

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